ネイルスクールの耳より情報集めました

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10年近く前に物流関係企業のベンチマーキング(比較評価)をした際の資料に基づいている。
調査を実施したのは、雑誌「日経ロジステイクス」(日経BP社)である。 現在は廃刊になっているが、当時は毎年、一般企業の物流担当者に対して「今後もおつきあいしたい会社ナンバーワンはどこか」といった内容の調査を行っていた。
事例のベースにした調査は1991年のものである。 物流業者の評価項目として10の調査項目を立てて、それに対して企業の物流担当者に得点をつけてもらう調査である。
ここではそのなかからS急便とY運輸の評価を取り上げて、重要成功要因について考えたい。 S急便とY運輸の評価を示したのが図叩と図刊である。
まず図叩のS急便の評価を見てみよう。 ここでは単純化するために、特徴的な評価項目をいくつか選んで表示している。

上からいくと「運賃が安い」、「配達までの時間が短い」、それから「集荷・発送時刻をきちんと守る」、「貨物の正確な輸送状況を提供してくれる」、「不測の事態に融通を利かせてくれる」、「運転手や営業所員のマナーがよい」など、選ばれた一0項目が並んでいる。 図中、相対評価ゼロのところが物流業者二十数社に対するアンケートの評価結果の平均点である。
この図からS急便の特色をいくつか述べると、平均に対して「運賃が安い」という項目が非常に劣っていて、二番目の「配達までの時聞が短い」という項目の評価がきわめて高い。 次に高いのは、「受発注、運賃請求などのシステム化が進んでいる」という項目である。
これと図日のY運輸の評価を比較してみよう。 二つの図を重ねればよくわかるのだが、Y運輸はS急便よりも平均的に高い評価を受けている。
Y運輸の評価で平均点以下の項目は「運賃が安い」で、それも若干低いだけだ。 「当社が必要とするルートに強い」で負けていることと、「システム化」のところでほぼ同評価であることを除けば、S急便よりすべて上の評価を得ている。
それでは、Y運輸とS急便は、どちらがこれからもおつきあいしたい運送会社ナンバーワンとして選ばれているか。 それを示したのが図世である。
そのナンバーワンには、二位以下に圧倒的な差をつけてS急便が選ばれている。 この、なぜS急便が選ばれたかに関するポイントは、顧客が企業の物流関係者である点にある。
製造業の場合、モノが定刻どおりに届かないと工場のラインがストップしてしまう。 それによって起こる損害は運賃一個口がいくら高いかという事実よりもかなり大きく響くことは想像に難くない。
場合によっては、自分たちの取引先にまで迷惑をかけることになる。 物流担当者にすれば、多少運賃が高くとも配達時聞がより正確で、必ず運んでくれるという信頼感のあるS急便の評価が高くなる。
それでS急便が選ばれたというわけだ。 すべての評価項目に関して、得点が高い方がよいことは間違いない。
しかし、差別化という観点から言えば、ターゲット顧客を誰にするかで、一つひとつの項目の重要性が変わってくる。 すべての項目で平均点以上とることを高く評価する顧客もいるかもしれない。
だが、ターゲット顧客が最も重要視する項目でナンバーワンでなくては、他の項目の得点が高くても意味がないし、成功にもつながらない。 それが、当時の物流担当者にとっては「時間を守る」ことだった。

こういった競争優位を左右する要因を、「重要成功要因(CSF)」と呼ぶのである。 CSF分析を念頭に置いて、自分のところはどのような顧客をターゲットにするか、求められている機能は何で、重要成功要因の達成目標は何かを明確にする。
その上で、達成目標を実現するための社内的な仕組み、物流ネットワーク、拠点配置、ドライバーの教育・研修、給与体系、情報システムなどを整備する。 そうすることで初めて競争優位が実現できるのである。
情報システムに関しても、あれもこれもと考えているうちは実は焦点が絞れていないことが多い。 実際に情報システムを開発し終わり、稼働したときに何が実現されるかを明確にしていないと、お金ばかりかかることになってしまう。
ITによっていろいろなことができるようになったが、競争力の強化にはあまり役立たないというのでは、仕方がないのである。 次に、重要成功要因が何かを探るときに、どのようなステップで策をめぐらさないといけないかを考えてみたい。
最初にやらなければならないのは、自分たちの業界や自分たちは一体誰と競争しているのかを考えることである。 競争環境では、マクロ環境と言われる人口構造や経済の動向から始まって、社会環境である政府、金融市場、地域社会が存在し、そのなかにさらに自社があり、取引先、競合相手があり、顧客がいる。

5年から10年先を意識すると、人口構造がどう変わるか、規制緩和がどう進むかは、ビジネスに多大な影響を与える要因となる。 ここで言う社会環境のひとつには、インターネットの普及が該当する。
現在の競争環境だけ見ていたのでは、足をすくわれることになりかねないので、今後どう広がり、発達していくかを押さえておく必要がある。 現時点での強みが、将来的にも強みになるかどうかは、環境の変化で大きく左右される。
そこで、まず競争環境を見ることになる。 二番目は、自分たちの市場が何で、競合相手は誰かを明らかにすることである。
お風呂用洗剤の市場を頭に浮かべてみよう。 カビをとり、清潔できれいな風呂にするのが、その市場であると考える。
この分野では、Kがマジックリンというお風呂の洗剤を販売している。 競合相手のライオンやジョンソンもお風日の洗剤を販売している。
さて、ここで問題がある。 この市場をお風呂のカビをとる洗剤のマーケットというように洗剤の効用を中心に考えると、ライバルとしては前述のような企業があげられる。
ところが、お風呂の壁や風呂桶の市場では何が起こっているかというと、どんどんユニット化してタイルがなくなっている。 しかも壁の素材も抗菌仕様などが施され、カピが生える余地がますます少なくなっている。
したがって、カビとりや風日をケアするための洗剤の需要や市場は、今後小さくなるかもしれない。 つまり、一番のライバルは、実は新建材や新工法であるという捉え方もできる。
宅配業でもドキュメントや小さなパッケージを届ける市場では、DやFがライバルとして競争を繰り広げているが、実は最大の脅威はインターネットである。 eメールが進化して正式な契約書として使える認証性を技術的にもつようになり、高品質の画像を色合いまで再現できるようになると、たぶん最大のライバルとして目の前に立ちふさがる。
現在の競争に勝つことのみに焦点を絞るのと、インターネットの進化を前提として何をなすべきかを考えるのとでは、自ずと分析の結果として出てくる重要成功要因は異なってくるはずだ。 ここでは、重要成功要因を探る過程を説明するために、話題を少し具体的なところに戻して、物流の話を例にあげたい。

最初は「売り上げを増加したい」ために何をするかということから考え始める。 そこには、「新規の顧客を獲得する」と「現在の顧客にさらに売る」という二つの分岐点が存在する。

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